Section3:「最大の資産」-その作り方と活用方法-

前回のセクションでは、仕組み化の目的…売り続けるために欠かせない3つの要素について学んで頂きました。
そろそろ実践に移っていきます。これが序章最後のコンテンツです。

このセクションでは、私たちにとって最大の資産である「リスト」とその活用方法について学びます。

このセクションを学ぶ理由

「江戸商人は、火事になったらお金ではなく顧客台帳を持って逃げた」
「家で火災が発生した江戸商人が真っ先に井戸に放り込んだのは、顧客台帳だった」

…こんな話(言い伝え?)があります。

マーケティングの世界では、数百年経った現代でも同じ考えです。
何より大切な「資産」は、見込み客や顧客の「リスト」だという考え方が圧倒的多数を占めます。

その最大の理由は、「連絡先さえ分かれば販売活動が出来るから」。

リストが有れば、単に売り込めるだけではありません。リストとの関係性が強ければ、支援も受けられます。それは有益なフィードバックであったり、紹介であったり…いずれも売り続けるためには欠かせないもの。つまりリストが有るのと無いのとで、売り続ける難易度は天と地ほど違うということです。

このセクションでは、最大の資産であるリストの作り方と活用方法を学びます。リストが無ければ作り、有るならさらにブラッシュアップしていきましょう。

リストの活用方法:属性ごとのコミュニケーション

「リスト」の重要性をご理解頂けたところで、今後あなたがリストを使ってやっていくこと…つまり活用方法について説明しておきます。

まず、リストの中身をいくつかの属性に分類します。これをリストセグメンテーションと言います。
そして属性ごとにコミュニケーションを取っていきます。

具体的にどんなコミュニケーションを取るのか?その答えは、「オファー」です。
商品だけでなく、サポートやイベントへの参加もどんどんオファーしていきます。

商品のオファーはほぼスルーでも、サポートやイベントには率先して参加するという人が一定数存在します。
だからサポートやイベントのオファーを出し、最低限の見返りとしてフィードバックをもらうのです。

フィードバックされた内容をもとに商品やオファーを改善し、再度オファーを出す。このサイクルを継続することで成約率はアップします。

そしてもう1つ。リストセグメンテーションを行い、属性ごとにオファーを出す理由も説明しておく必要があるでしょう。その理由は、属性ごとに異なる「行動のネック」を潰すためです。

例えば、購入履歴のない見込み客には、何かしら購入に踏み切れない理由があります。それは、購入を続けている顧客が抱えるネックとは違います。

属性ごとに異なるネックを潰すためには、属性に合わせたオファーを出す必要があります。だからリストセグメンテーションが重要になるのです。

「使えるリスト」を作成する4つのステップ

それでは早速実践に入りましょう。まず最初に、顧客リストから整理を進めていきます。
顧客リストがない場合は、ここで解説した内容通りに顧客リストを作成していきましょう。

STEP1:「平均値」を算出する

まず、あなたの商品について下記の情報を抽出して下さい。

※この表は、横にスクロール出来ます。

no. 要素 項目 備考
1 平均単価(客単価)
2 平均的な利用(消費)頻度 例:平均月2回利用、平均年間6個消費、等々
3 期間 平均利用期間 平均在籍(利用)期間、初回購入から購入しなくなるまでの平均期間、等々

これらの項目は、リストセグメンテーションを行う上で極めて重要な項目です。
顧客があなたに投資する「質・量・期間」を把握していれば、平均値と各々の顧客の数値との比較は簡単に出来ますよね。つまり、これら3つの項目を押さえていればリストセグメンテーションは簡単だということです。

ちなみに、これら3つの要素はLTV(顧客生涯価値)という指標の算出でも用います。そのため、これらの項目を管理することでLTVの改善も容易になります。今後はこれら3つの項目をリストに追加し、管理するようにして下さい。

STEP2:ブラックリストを作成する

次に、過去にクレーム等のトラブルが発生した顧客など、もう連絡を取ってはダメだと思われる「要注意顧客」をリストから除外して下さい。
またその際に、性格が合わない等の理由であなたが「売りたくない」と思う顧客も併せて除外して下さい。

定期的にオファーを出すことによって、一定の層から反感・反発を買うのは間違いありません。どんな良い商品でも、どんな素晴らしい趣旨で開催されたイベントでも、とにかく反対する人っていますよね。で、それがあなたに批判的な人だったり、あなたが苦手な人だったら…考えただけでゾッとしませんか?

ですので、トラブルの原因になり得る顧客は別リストで管理し、一切連絡を取らないようにしましょう。

STEP3:「平均値」を基準に3つの層に分類する

次に、STEP1で抽出した平均値を基準にして①平均値②平均値以上③平均値以下の3つに分類して下さい。

平均と平均以外の線引き(平均値からプラスマイナス何%までを平均とみなすのか、等々)が難しいと思いますが、初期段階では「適当」で構いません。何故なら、顧客1人1人の購買行動を見ていくうちに自ずと境界線が見えてくるからです。

リストが5人では正直厳しいと思います。でも、それが10人、20人と増えていくのに比例して境界線の存在は明確になります。だから初期段階では細かいことを気にして思考や作業の手を止めるのではなく、「適当」に分類すればOKなのです。

これで顧客を①平均的な顧客 ②平均以上に利用している顧客 ③平均以下の顧客 ④ブラックリストの4つに大別出来たはずです。
顧客リストの大枠はこれで出来上がりですが、次のステップで仕上げを行っていきましょう。

STEP4:「超VIP」を特定する

これが最後のステップです。②の平均以上に利用している顧客についてもう少し分類を行います。
②はいわゆるVIP顧客(お得意さん)です。この中から、「超VIP顧客」を特定しておきましょう。

選定基準は「あなたの商品の大ファンで、あなたが頭を下げて協力を申し込んだら(内容にもよるが)手伝ってくれそうな人」です。少なくとも3人、可能なら5人ほどピックアップしておいて下さい。

STEP4をクリアすれば、使える顧客リストの完成です。
次の「リサーチプロセス」からリストを使った実践が始まりますので、ここで解説した内容通りにリストを整理しておいて下さい。加えて、本日以降リストの定期的なメンテナンスも欠かさないようにして下さい。

参考:見込み客リスト

見込み客リストについては、顧客リストほど細かく分ける必要はありません。基本は連絡先と氏名が分かれば十分です。但し、何らかのコンタクトを取ってきた見込み客はすぐに分かる様にしておきましょう。

先述の通り、見込み客とは何らかのネックがあって購入に至らないお客さんな訳です。コンタクトを取ってくるということは、商品に対する関心が高いということになります。対応履歴を残しておけば、のちのち攻め口が見つかったときに優先的に売り込むことが出来るからです。

課題

◎上で説明した内容に沿って、顧客リストを整理してみましょう。